いのちにありがとう

2022年12月8日

「ソトコト」2009年4月の「CHIBIKOTO」に寄稿したエッセイです。

春のこもれび、燃え立つ夕日・・・どんな時にも、おひさまがいる。夜だって、反対側は照らしてる。刻一刻と、また明ける一日の、朝日に向かって動いている星、地球号。

そう、エネルギーをくれる母なる太陽のまわりをぐるぐると、自分も律儀に一日一回回りながら、ひたすら回り続ける星のひとつが、私たちの母船、地球号。「ソーラーシステム」というのは、そもそもこの「太陽系」を呼ぶ言葉です。

なにしろ全地球で1年間に全人類が消費するエネルギーの総量分を、たった1時間分の照射で届けてくれている、というのですから、太陽の凄さがわかります。

明けない夜が来たら、全ての地球上の命はきっと絶えてしまうでしょう。

海も、緑も、風も、雨も、水も、土も・・・全ての源は、太陽にあるといっても過言ではありません。

私たちのいのちは、この豊かな自然の営みの掌(たなごころ)の内にあるもの。生きている、のではなしに生かされている存在でしかないのです。

こうしたことに、感謝を忘れるどころか、自分たちが全てを仕切れる主人公だと勘違いした稚拙な驕りが、今の、所謂、環境問題の根っこだと思います。

幸せだなナ、と思うのはどんな時ですか?

日射しに、頬をわたる風が花の香りを運ぶとき・・・

清らかな水、安心の食べ物を口にするとき・・・。

自分を育み、守り、包んでくれる『棲み家』をもう一度、いのちが喜ぶ“いのちのめもり”で、はかりながら、創り直す時がきているのだと思います。

私たちすべての『棲み家』地球号の未来も、今、私たち一人ひとりが何を変えるか、止めるのか、始めるのか。その総体によってしか創れないと思っています。

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